税理士に業務を依頼することは、経営者や個人事業主にとって非常に大きな判断です。「税金や申告のことが不安だから専門家に頼みたい」と思っても、実際に頼んだ結果に満足できるかどうかは、税理士の選び方や相性によって大きく左右されます。
この記事では、実際に税理士に依頼した人たちの「よかった体験談」と「失敗した体験談」をまとめ、それぞれから学べるポイントを解説します。
【成功談】税理士に頼んで本当によかった!という体験談
1. 節税効果で数十万円の差が出た(IT系フリーランス/30代男性)
以前は自分で確定申告をしていましたが、控除や経費の扱いが不安でした。思い切って税理士に依頼したところ、私が見落としていた控除や業務に関する支出がたくさんあると指摘され、最終的に前年よりも約30万円も節税できたんです。毎年数万円の顧問料はかかりますが、結果的にはプラスになっています。
ポイント
→ 税理士は税制に精通しており、自分では気づけない節税のチャンスを見つけてくれることがあります。
2. 税務調査に安心して対応できた(飲食店経営/40代女性)
開業して3年目に税務調査の通知が来て大慌て。自分ではどうしていいかわからず、すぐに顧問税理士に連絡。税務調査の対応経験が豊富な方だったので、書類の準備や調査官との対応もすべてサポートしてくれました。結果的に大きな修正は不要で、無事に乗り切ることができました。
ポイント
→ 税務調査は不安が大きいイベントですが、税理士のサポートがあれば冷静に対処できます。
3. 法人化のタイミングで得した(個人事業→法人/30代男性)
年収が800万円を超えたころ、「そろそろ法人化も考えた方がいいのでは?」と思い、税理士に相談。所得税と法人税の違い、社会保険のこと、役員報酬の設定方法まで丁寧に説明してもらい、最適なタイミングで法人化できました。結果的に税金と社会保険料の合計額が大幅に減り、キャッシュフローも改善しました。
ポイント
→ 法人化はタイミングと設計が重要。税理士の助言をもとに判断することで、大きな節税効果を得られることがあります。
4. 経営の視野が広がった(スタートアップ経営者/40代男性
顧問税理士をつけてから、単なる「税金の相談」だけでなく、資金繰り、利益計画、融資戦略、補助金申請などもサポートしてもらうように。数字の裏付けがあるからこそ、経営判断にも自信が持てるようになりました。
ポイント
→ 税理士は税務以外にも経営のアドバイザーとして活躍する存在です。
【失敗談】税理士選びで後悔したケースも…
一方で、「税理士に依頼して失敗した」と感じた人も少なくありません。ここでは代表的な失敗事例を紹介します。
1. コミュニケーションが取りづらかった(小売業経営/50代女性)
開業時に紹介された税理士にお願いしていたのですが、質問への回答が遅く、専門用語ばかりでわかりづらい。何度も聞き返すのが億劫になり、結局こちらの意思疎通もうまくいきませんでした。1年で契約を解除し、別の税理士に切り替えました。
問題点
→ コミュニケーション能力や相性は、税理士選びにおいて非常に重要な要素です。
2. 節税の提案がなかった(フリーランス/30代女性)
「確定申告だけお願いしたい」とスポット契約で依頼したところ、帳簿は提出通り処理されただけで、節税アドバイスは一切なし。領収書の整理や経費の仕訳についても「それはこちらで判断してください」と言われ、結局自分でかなり調べることになりました。
問題点
→ 契約形態によっては、アドバイスや提案が受けられないケースも。契約前に業務範囲を確認することが大切です。
3. 高額な報酬に見合うサービスがなかった(中小企業経営/40代男性)
紹介された大手の税理士法人に顧問契約をしたが、毎月の顧問料が5万円超にもかかわらず、記帳確認と年1回の面談程度。期待していた「経営アドバイス」や「節税提案」はほとんどなく、コストに見合っていないと感じて2年で契約終了。
問題点
→ 税理士によっては、法人顧客に対しても“ルーティン業務のみ”というケースがあります。期待値と実際のサービス内容の差に注意。
4. 最新の税制に対応できていなかった(個人事業主/40代男性)
長年お世話になっていたベテラン税理士。信頼はしていたが、ある年に税務署から修正申告を求められた。理由は最新の税制改正に対応できていなかったこと。やはり定期的にアップデートをしている税理士でないと不安です。
問題点
→ ベテランであっても、新しい税制やクラウド会計に疎い場合があります。時代に合った対応ができるかも重要。
税理士選びで失敗しないためのポイント
これらの体験談から見えてくる「税理士選びのコツ」は以下の通りです。
- 相性の良さを重視する:話しやすさ・説明のわかりやすさ・対応スピード
- 契約内容を明確に確認する:何をやってもらえるか、どこまでが含まれるのかを契約前に確認
- 専門分野をチェックする:自分の業種に強いか、クラウド会計や最新税制に対応しているか
- 料金体系が納得できるか:報酬額とサービス内容のバランスを見る
- 事前に相談して見極める:初回無料相談などを利用して、実際に話してみる
まとめ
税理士に依頼することで、節税・経営支援・税務リスクの軽減など、さまざまなメリットを得ることができます。一方で、選び方を間違えると「料金が高いだけ」「思ったようなサポートが得られない」といった後悔をするケースも。
体験談に学びながら、自分の事業や目的に合った税理士を見つけることが大切です。信頼できるパートナーと出会えれば、税務はもちろん、経営そのものの安心感が大きく変わります。
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