「確定申告が大変すぎる…」「節税ってどうすればいいの?」「そろそろ税理士に頼んだ方がいいのでは…」
そう感じたとき、多くの事業者がぶつかるのが「どうやって税理士を選べばいいのか分からない」という壁です。
税理士との付き合いは、場合によっては何年も続くもの。料金も決して安くないからこそ、「失敗した…」と後悔しないためには、最初の選定が非常に重要です。
今回は、初めて税理士に依頼する方が絶対にチェックすべき5つのポイントを具体的にご紹介します。あなたに合った税理士と出会い、安心して事業に専念できる体制を整えましょう。
チェックポイント①:自分の業種・規模に対応した経験があるか
税理士には、得意とする業種や事業規模があります。たとえば、以下のような違いです。
- 飲食業や建設業に詳しい税理士
- フリーランス・副業向けに特化した税理士
- 年商数千万円規模の中小企業を多数サポートしている税理士
- IT業界やスタートアップに強い税理士
業種によって必要な会計処理や節税対策が異なるため、「自分の業種に詳しいかどうか」は非常に重要な視点です。
また、創業間もないフェーズにいるのか、年商1億円を目指す成長期にあるのかでも、必要とするアドバイスは変わってきます。面談や紹介サービスを通じて、「自分と似た業種・規模の顧客をどれくらい持っているか?」を聞いてみましょう。
チェックポイント②:料金体系が明確で納得できるか
税理士に支払う費用は、一般的に以下のような形で発生します。
- 月額顧問料(1〜5万円が相場)
- 決算申告料(個人で5〜10万円/法人で10〜20万円が相場)
- オプション(年末調整、記帳代行、給与計算など)
注意すべきは、「最初に提示された料金がすべてではない」という点です。実際に契約してみると、追加料金が発生するケースも少なくありません。
そのため、見積もりの段階で以下を必ず確認しましょう:
- 月額顧問料に含まれるサービス範囲
- 決算料は別途かかるのか?いくらか?
- 記帳代行や年末調整の費用はどうなるか?
- 税務調査対応は無料か有料か?
料金が曖昧な税理士は避けるべきです。明朗会計で、こちらの予算感をくみ取ってくれる人を選びましょう。
チェックポイント③:コミュニケーションの相性が合うか
税理士とのやりとりは、年に数回どころか、毎月発生することもあります。だからこそ、「話しやすさ」「レスポンスの早さ」「丁寧さ」などの人間的な相性も重要な判断材料です。
以下のような視点で相性をチェックしてみましょう。
- 専門用語ばかりでなく、かみ砕いて説明してくれるか?
- こちらの話をしっかり聞いてくれるか?
- メールやチャットでの対応は早いか?
- 気軽に質問しやすい雰囲気があるか?
税理士の能力が高くても、「何を言っているのか分からない」「毎回連絡に3日かかる」という状態ではストレスが溜まります。
可能であれば、契約前に一度面談を行い、実際の人柄や対応スタンスを確認するのがベストです。
チェックポイント④:依頼したい業務範囲をカバーしているか
税理士にお願いできる業務は幅広く、以下のような選択肢があります。
業務内容 | 税理士に任せられるか? |
記帳(帳簿づけ) | 可能(オプション対応も多い) |
確定申告・決算書作成 | 可能(メイン業務) |
節税・税務相談 | 可能 |
年末調整・法定調書作成 | 可能 |
給与計算・労務管理 | 税理士によっては対応外 |
税理士によっては、「記帳は自分でやってください」というスタンスの人もいれば、「全部お任せでOK」というスタイルの事務所もあります。
たとえば「会計ソフトに入力する時間がないから全部お願いしたい」と考えている人が、記帳対応なしの税理士と契約してしまうと後悔することになります。
事前に、「どこまでやってもらえるか」「何を自分でやる必要があるか」を明確に確認しましょう。
チェックポイント⑤:紹介・比較サービスを活用して複数人と比較する
税理士を選ぶ際、「近所だから」「ネットで見つけたから」という理由だけで決めてしまうと、ミスマッチが起きやすくなります。
初めて依頼するなら、税理士紹介サービスを活用して、最低2〜3人とは面談してみることをおすすめします。
紹介サービスの主なメリットは以下の通りです:
- 希望条件(地域、予算、対応業種など)に合った税理士を探してくれる
- 面談前に料金や対応スタンスを把握できる
- 契約前に無料相談できるケースが多い
- ミスマッチがあった場合の再紹介も可能
無料で使えるサービスも多いため、「最初の税理士選びで失敗したくない」という方には非常に有効な手段です。
まとめ|“安さ”や“近さ”ではなく、“信頼と相性”で選ぼう
税理士選びは、「誰に任せるか」がすべてです。たとえ料金が安くても、対応が悪かったり、自分の業種に詳しくなかったりすれば、むしろ損をすることになります。
初めての依頼であればなおさら、以下の5つを意識してチェックしてみましょう:
- 自分の業種・規模への理解があるか
- 料金体系が明確かつ納得できるか
- コミュニケーションの相性が合うか
- 必要な業務範囲をカバーしているか
- 複数の税理士を比較して選んでいるか
信頼できる税理士と出会えれば、あなたの事業の「数字のパートナー」として長く付き合っていくことができます。焦らず、慎重に選びましょう。