万が一に備えるために…GPS端末の防犯機能を徹底解説

「子どもを守りたい」「万が一の時にすぐ行動できるようにしたい」
そんな保護者の思いを支えるツールとして注目されているのが「子ども用GPS端末」です。

もともとは「登下校の位置を確認する」という使い方が中心でしたが、近年は防犯機能が大きく進化しており、犯罪やトラブルの抑止・対応にも活用され始めています。

本記事では、子ども用GPS端末に搭載されている主な防犯機能をわかりやすく解説しつつ、「どんな場面で役立つのか?」「どこまで頼れるのか?」という視点から、導入前に知っておきたいポイントをまとめます。

なぜGPS端末に“防犯機能”が必要なのか?

登下校中の子どもが狙われる事件は、年々報道される機会が増えています。特に共働き家庭では、「すぐに駆けつけられない」「子どもがどこにいるのかリアルタイムでは分からない」という状況が生まれやすく、不安を感じることも。

そんなとき、GPS端末の防犯機能は**「何か起きたときにすぐ察知できる」「対応の初動が早くなる」**という意味で、大きな役割を果たします。子ども自身がSOSを出す手段としても有効です。

主なGPS端末の防犯機能5選

以下は、実際に市販されている子ども用GPS端末に搭載されている代表的な防犯機能です。

① SOSボタン(非常ボタン)機能

GPS端末に物理ボタンが設置されており、長押しや2回連続押しで緊急通知を送信できる機能です。

  • 保護者のスマホに即時通知される
  • ボタンが押された時刻・位置情報も表示
  • 一部機種では録音・自動発信機能つき
どんなとき役立つ?
  • 不審者に声をかけられたとき
  • ケガや体調不良など緊急時
  • 通話できないけれど助けを求めたいとき

保護者の声:「うちの子は内気で声が出ないタイプ。でもボタン1つで知らせられるなら安心です。」

② ジオフェンス(エリア通知)機能

保護者があらかじめ設定した範囲(例:自宅周辺、学校周辺)を子どもが出入りしたときに通知が届く機能です。

  • 出発/到着通知をスマホで確認可能
  • 設定はアプリから簡単に可能
  • 子どもの行動パターンを把握できる
どんなとき役立つ?
  • 帰宅せずに寄り道しているとき
  • 通常の通学ルートを外れているとき
  • 学校に無断で遅刻・早退しているとき

「想定外の場所に長時間とどまっていたので確認したら、知らない子と遊んでいたことが発覚。早めに対応できました」

③ 不審な動きの自動検知・通知機能

端末によっては、“いつもと異なる動き”を検知して通知するAI機能を搭載しているものもあります。

  • 学校と自宅の移動以外に大きく外れたときに通知
  • 普段より移動距離・スピードが異常な場合に警告
  • 特定エリアに長時間とどまっていたら警告
どんなとき役立つ?
  • 誘拐や連れ去りなど異常行動の兆候をいち早く察知
  • 子どもが何らかの理由で動けなくなっている場合
  • 不慣れな場所に誤って入り込んだとき

④ 音声通話・録音機能

一部のGPS端末には通話や録音機能が備わっており、非常時に音声のやり取りや状況の把握が可能です。

  • 保護者のスマホから音声通話ができる(ワンウェイ/双方向)
  • SOS時に周囲の音を自動録音
  • 録音データが後から確認可能(クラウド保存など)
どんなとき役立つ?
  • 子どもが言葉で説明できないときに様子を知れる
  • 証拠として音声が残る
  • 遠隔で状況確認しながら指示を出せる

「録音された音声で、子どもが怯えていることが分かり、警察に相談できたというケースもあります」

⑤ 第三者への位置共有(複数人見守り)

子どものGPS情報を複数のスマホで共有できる機能も、多くの製品に搭載されています。

  • 両親、祖父母、学童スタッフなどが一緒に見守り可能
  • 通知を複数人に同時送信
  • 近くにいる人がすぐに対応できる
どんなとき役立つ?
  • 保護者がすぐに対応できないときに代わりに動ける
  • 家族全体で「気にかける」体制をつくれる

実際に起きたトラブル対応例

以下は、GPS防犯機能が実際に役立ったケースの一例です。

ケース①:不審者に後をつけられた

→ 子どもが異変に気付き、SOSボタンを長押し。母親に通知が届き、すぐに学童スタッフが迎えに出向いた。

ケース②:公園で転倒し動けなくなった

→ 子どもの移動が止まり、「移動していない」通知がアプリに。通話機能付きGPSで状況を確認。保護者が駆けつけて病院へ。

ケース③:災害時の安否確認

→ 地震発生直後、位置確認+自動通知で学校にとどまっていることを確認。電話が通じない中でも状況が把握できた。

防犯機能を選ぶ際の注意点

GPS端末を選ぶ際は、以下のポイントを意識すると安心です。

チェックポイント理由
SOSボタンの位置・押しやすさ実際に子どもが押せるかが重要
通話や録音の有無状況把握の手段として有用
アプリの使いやすさ保護者が操作に慣れているか
通知の反応速度リアルタイムで届くかどうか
充電の持ち時間長時間使えなければ意味がない

まとめ:防犯機能は“使いこなしてこそ意味がある”

GPS端末の防犯機能は、あくまで「補助ツール」です。過信するのではなく、家庭内でのルールづくりや話し合いとセットで活用することが大切です。

  • 「危ないと思ったらすぐボタンを押す」
  • 「知らない人について行かない」
  • 「予定と違う行動をしたら連絡する」

こうした日常的な対話と併せて使うことで、GPSの防犯機能はその効果を最大限に発揮します。

「うちはまだ大丈夫」と思わず、何も起きないための備えとして、今一度GPS端末の防犯機能に目を向けてみてはいかがでしょうか?